ThoughtSpotが解決する AI×BI 時代のデータ活用課題

AIの 新化 が止まらない。
マーケターやコンサルタントなど、非エンジニアでもAIにデータを渡し、とりあず質問を投げれば、グラフを生成し、要因分析も行い、次にとるべきアクションまで提示してくれます。
内閣府の調査によると、日常的にAIを使用している人は72%と言われています。
SNSや動画配信コンテンツなどではユーザー毎に最適なコンテンツをAIが判別し、レコメンドすることが当たり前になっています。
これを踏まえると、意識しているかどうかに関係なく、ほぼ100%の人が、何かしらの形でAIを利用している時代と言えるのかもしれません。

出典:内閣府 消費者委員会「生成AI利用者の利用実態に関するアンケート結果(速報)」より一部抜粋
https://www.cao.go.jp/consumer/kabusoshiki/ai_technology/doc/002_260331_shiryou2.pdf
BIは不要?
少しずつ、緩やかに「もうBIツールは不要なのでは?」という声も増えてきました。
実際、ChatGPTやClaudeなどの生成AIにデータを渡せば、
グラフ生成
データ分析
SQL作成
仮説出し
まで自然に行ってくれます。ここだけを見ると、そうかも?と納得しそうになります。
MCP(Model Context Protocol)によって、LLMがデータソースへ直接アクセスし、
Claudeからデータに接続し、自然言語だけで分析を行うような体験も今や当たり前です。
ただ、BI×AIで見たときに、かなり違う景色が見えると思います。
「AIで分析できる」と、「業務で使える」
は全く別だということです。
生成AIは それっぽい分析 はかなり得意
まず前提として、生成AIは本当に優秀です。
特に壁打ち用途ではかなり強いです。
例えば、
「どのカテゴリの売上が落ちている?」
「この企業群に傾向はある?」
「このグラフから何が読み取れる?」
のような問いに対して、かなり自然に返してくれます。
自然言語だけでグラフ生成
非分析者でも利用可能
仮説出し
初期分析
このような問いの回答を得たい際にはかなり向いています。
ここだけ見ると、実用感はかなりあります。
しかし、「実務」になると問題が出てきます。
それは “正しさ” が必要になった瞬間でした。
同じ質問でも結果が変わる
LLMベースの分析では、同一プロンプトでも結果が変動するケースがあります。これは雑談レベルなら問題ありません。でも業務に落とし込むとなるとかなり危険です。
例えば営業会議で先月の値を見る際、「昨日見たときは先月の利用率 72%だったのに、今日みたら68%だった」。
終わりです。誰も信用できなくなります。
AIは「自然な回答」を作るのは得意ですが、
“毎回同じ値を返す”
のは限界があり、別の難しさがあります。
KPI定義を理解していない
さらに大きかったのが、“業務文脈”の問題でした。
例えば、
利用率
稼働率
UU
契約率
こういう言葉は、会社内の組織ごと、もっと言うと人によって認識している定義が違います。
人間側は当然理解している、言わば暗黙のルールAIは知りません。
そのため、
類似カラムを誤認
未定義ロジックを誤解釈
想定外の集計
が発生します。つまり、「それっぽい答え」は返ってきます。
でも、AIの応答結果が「ユーザーにとっての正しい答え」とは限りません。
以下は同じデータをClaudeに読み込ませ同じ質問をしてみました。
ただ月の集計定義を変更しています。
このように個人間、組織間の集計定義の認識のズレは気をつけなければなりません。

Claudeによるグラフ生成➀

Claudeによるグラフ生成➁
「信頼」
個人的に思うAIの大きな課題です。
生成AIは、答えは返してくれます。しかもかなりそれっぽく。
しかし、
なぜその値になったのか
どのテーブルを使ったのか
どの条件で集計したのか
KPI定義は統一されているのか
再現できるのか
を完全に保証することは難しいです。
実務では、「早く答えを知れる!多分正しい!」より、「信頼できる」を重宝されることがほとんどです。
特にBIは、最終的には経営判断に使われることが多いです。
だからこそ、
再現性
ガバナンス
可監査性
が必要になります。
ここは汎用AIだけではかなり厳しいと感じました。
「信頼を作ること」
Tableau Conference 2026のキーノートにて、
1つの重要なメッセージが語られていました。
「AIにできないことが1つある。それは、分析への“信頼”を作ること」
生成AIは、分析を高速化できます。
冒頭でも書きましたがグラフも作れますし、要因分析もできます。自分が思ってもいなかったネクストアクションも提案してくれます。
ただ、
この数字は本当に正しいのか
KPI定義は統一されているのか
集計ロジックは正しいのか
誰が担保しているのか
という“信頼”までは作れません。
「89%のリーダーが、不正確または誤解を招くAI出力を経験している」
というデータもキーノートで紹介されていました。
AI時代に重要なのは、単に分析を速くすることではなく、「その分析を信頼できるか」だと思います。
Data alone is not enough
もう1つTableau Conferenceにて強く語られていた言葉があります。
「Data alone is not enough(データだけでは不十分)」
というメッセージです。AI時代に必要なのは、単なるデータではありません。
必要なのは、「AIが正しく理解できる整備」です。
例えば、
用語定義
計算ロジック
セマンティクス
業務文脈
つまり、
「売上とは何か」
を、AIが理解できる形で持っていることが重要になります。

(出典:Salesforce, State of Data and Analytics 2025)
ThoughtSpot
みなさんThoughtSpotをご存じでしょうか。
ThoughtSpot(ソートスポット)は、AIを活用した検索型BIプラットフォームです。
ユーザーは自然言語でデータへ質問でき、AIがインサイト抽出や可視化を支援します。
さらに、KPI定義や業務用語を統一する仕組みを備えており、「誰でも同じ指標を見られるデータ活用」を実現できる点が特徴です。
本記事とは別にThoughtSpotを紹介している記事も併せて読んでみてください。
ThoughtSpotとSnowflakeを使ってセルフBIの世界を体験してみた
従来のBIでは、
ダッシュボードを開く
フィルタを操作する
欲しい情報を探す
という流れで自分の欲しいデータを取得します。
逆に、ほしいデータがダッシュボード上になければSEに依頼するなど時間がかかります。
ダッシュボードにある値しか閲覧できない、これは既存BIの大きな課題であり、「作られた分析を見る」ことが前提になっています。
一方ThoughtSpotは既存BIのように定型ダッシュボードを作成したうえで、新たにデータに「質問する」ことが可能です。
例えば、
「今年の売上のトレンドは?」
「売上が落ちている原因は?」
「今月伸びているカテゴリは?」
以下のように、自然言語で質問すると、グラフやKPIが返ってきます。

自然言語でデータについて質問をする

Spotterで生成された月次のトレンドグラフ
ThoughtSpotの本質は、単なる「自然言語UI」ではないです。
重要なのは、その裏側で、
集計定義
業務知識
セマンティクス
ガバナンス
を管理可能といところです。つまり、「AIが賢いから分析できる」のではなく、「企業側が“意味”を定義しているから分析できる」のです。※AIは賢いです
これは、Tableau Conference 2026で語られていた
Data alone is not enough
というメッセージにもかなり近いと感じました。
AI時代に重要なのは、単に大量のデータを持つことではなく、「AIが理解できる形で、企業の知識・業務を整理できているか」です。
AIためのデータ整備
データ整備や業務理解を支える機能として、ThoughtSpotには以下のような「コーチング」機能が備わっています。
データモデルインストラクション(Data Model Instructions)
参照質問(Reference Questions)
ビジネス用語(Business Terms)
これらは、AIが企業独自のKPI定義や業務ルールを正しく理解し、曖昧さを解消させるための仕組み(プロセス)です。
① データモデルインストラクション(Data Model Instructions)
インストラクションはAIへの「共通ルール」を定義する機能です。
例えば、
月次は1日から月末として扱う
テストデータは除外する
顧客数はCustomer IDのユニーク数で集計する
など、全ユーザー・全質問に共通するルールを設定できます。
つまり、「この会社ではこう解釈してほしい」をAIが理解できるようにする機能です。
② 参照質問(Reference Questions)
質問の意図や推論パターンをAIに学習させる機能です。
例えば、「契約率を見せて」という質問に対して、
問い合わせ数に対する契約数割合
月別で表示
特定の列を利用する
など、“正しい解釈”を教えることができます。これは固定回答を保存する機能ではなく、
「この質問はこう理解してほしい」
をAIに学習させる仕組みです。
③ ビジネス用語(Business Terms)
会社独自の用語やKPI定義を、AIが理解できるようにする辞書機能です。
例えば、
組織独自の数式を用いた指標
略語や社内命名規則
など、社内・組織独自の意味を定義できます。
さらに、
計算式
フィルター条件
同義語
まで含めて整理できます。
つまり、組織(ユーザー)におけ言葉の意味を、AIが理解できる形で定義する機能です。
今紹介した3つの機能の他にも、モデル作成時の「AIコンテキスト」やSpotter(自然言語検索)へのフィードバックにユーザーが関与できるなど、ユーザー自身がThoughtSpotを育て、より高度な分析環境を構築できます。
おわりに
個人的な感想です。
ThoughtSpotを触っていて感じたのは、「AI分析ツール」というより、
「既存BIと生成AI、それぞれの課題を埋めたプロダクト」ということです。
従来のBIの課題は
操作になれるのに時間がかかる
固定の値しか閲覧できない
新たな指標が見たいときSEへの依頼が必要
非分析者が使いづらい
一方、生成AIは、
自然言語で分析できる
誰でも使いやすい
仮説出しが速い
という強みがある反面、
分析結果がブレる
業務文脈を理解できない
信頼性を担保しづらい
という課題があります。
ThoughtSpotは、この両方の課題を解決しようとしているように見えました。
自然言語で誰でも質問できる一方で、裏側では、モデル作成時の「AIコンテキスト」やコーチング機能によって、AIが企業知識を正しく理解できるように設計することが可能です。
「AIで分析できる」だけではなく、「組織で信頼して使える分析をどう実現するか」まで考えられています。
ここが、単なる生成AI活用との大きな違いだと感じました。
実務では、AIのスピード感・情報量だけでは足らず
定義が統一されている
誰が見ても同じ数字になる
解釈がズレない
非分析者でも使える
ことが重要です。そしてそのためには、「企業知識をAIが理解できる形で整理する」必要があります。
AI時代になって、分析そのもののハードルは確実に下がりました。
ただ、その一方で、「どの数字を信じるべきか」という問題は、むしろ重要性を増しているように感じます。
だからこそ今後は、「AIを使えること」だけではなく、AIが正しく理解できる環境を持っていることが、
AI時代における企業の競争力になっていくのかもしれません。
AIを活用すればビジネス機会を早めることができます。
手を動かす手間が省け、思考もクリアになり、課題の解決もスピーディーになります。
ThoughtSpotは「あなたのデータアナリスト」として、ビジネスにおけるあらゆる機会を最大化できると感じました。
今回ご紹介したThoughtSpot興味がある方、自社で使ってみたい方、相談ベースで一緒に探ってみたい方、いろいろなシーンでお手伝いできることがあると思いますので、ぜひお気軽にご相談ください!





