dbt

Snowflake Summit 2025 参加レポート【Day3】

こんにちは、エクスチュアの黒岩です。

Snowflake Summit2025もあっという間に3日目が終わろうとしています。(執筆中に日付を超えて終わってしまいました🥹)
本日も様々なセッションやハンズオンに参加し、昨日発表された新機能について必死にキャッチアップをしてまいりました。昨日、一昨日と投稿したSnowflake Summitレポート投稿に続き、本日はDay3のレポートを書いていこうと思います!
Day1, Day2のレポートはこちら↓

Day1の記事ではイベント全体の様子、Day2の記事では参加したハンズオンセッションについてご紹介という内容でした。Day3のレポートとなる本記事では、セッションに参加した体験とその内容についてご紹介していこうと思います💪

セッションとは

Snowflake Summit における「セッション」とは、Snowflake社のエンジニアやプロダクトマネージャー、パートナー企業の専門家たちが登壇し、新機能の発表やユースケースの紹介、今後のロードマップ、業界トレンドなどをプレゼンテーション形式で共有する場です。

セッションの多くは座学スタイルで構成されており、聴講者は講演を聞いて情報を得る形になります。登壇者が実際の画面やデモを見せながら進行することも多く、最新技術や運用ノウハウに触れられる貴重な機会です。

※以下のように、登録したセッションやハンズオン、Keynoteを登録すること、アジェンダ形式で閲覧することが可能なアプリが毎年リリースされます。

セッション概要

項目内容
タイトルWHAT’S NEW:
SCALING DATA PIPELINES WITH SQL, DBT PROJECTS, AND PYTHON
登壇者Nimesh Bhagat(Head of Product, Snowpark, Snowflake)
Doris Lee(Senior Product Manager, Snowflake)
セッション説明Learn how to efficiently scale and manage data engineering pipelines with Snowflake’s latest native capabilities for transformations and orchestration with SQL, Python, and dbt Projects on Snowflake. Join us for new product and feature overviews, best practices, and live demos.

本セッションを受講しようと思った背景

今回このセッションに参加しようと思ったきっかけは、Day2のKeynoteにて「dbt Projects on Snowflake」が発表されたことでした。(※Public Preview Soonなので、今現在は使用できないことにご注意)
https://www.snowflake.com/en/blog/empowering-data-engineers/#:~:text=observability%20and%20governance.-,dbt%20Projects%20on%20Snowflake,-As%20the%20core

Snowsight UI から dbt プロジェクトをネイティブに構築・実行・管理できるようになるという大きな構想が初めて紹介され、会場でもひときわ大きな注目を集めていました。Snowflakeとdbtをセットで使用することが多い立場として、「これは業務フローや運用設計が変わるかもしれない」と直感的に感じたのを覚えています。

そのため、実際にはどんな方法で、どんなdbtの機能が使用できるのか等、ライブデモ的に直接見て深く知るため、本セッションへの参加を決めました。

アジェンダ

※Dynamic TableやPandas on Snowflakeに関するアップデート情報もセッション内ではありましたが、本記事ではdbt Projects on Snowflakeの部分だけに焦点を当てます。

セッションの内容

AI時代のデータエンジニアはどんな存在?

そもそもデータエンジニアってやること膨大だよね、けど目立つことないよね、を提起していました。
個人的に「Unsung Hero」という表現(縁の下の力持ちと訳しました)がとても好きで、まさにデータエンジニアという職業は世界共通なのだなと感じました。

Snowflakeの最新データエンジニアリング基盤

登壇資料にもはっきりと、「Transformation」領域の一部として「dbt on Snowflake」のロゴが表示されており、Dynamic Tablesやストアドプロシージャと並ぶ形で掲載されていました(下図参照)。
これは、Snowflakeがdbtを単なる連携先ではなく、ネイティブなパイプライン構築手段の一つとして位置付けていることを強く感じさせるものでした。

「Openflowもリリースされたし、外部ツールいらないんじゃ。。?」と思ったそこのあなたへ。
パートナーたちのツールも使ってや〜というスライドがちらっと映りました。笑

dbt Projects on Snowflakeに至るまで

dbtとはなんぞや?の簡易的な説明。

データパイプラインの設計・運用において多くのユーザーが直面している典型的な課題が3つ挙げられています (下図)。どれも実際の現場でよく感じる悩みであり、Snowflakeがdbt Projects on Snowflakeを開発するにあたっての背景とも言える重要なインサイトだと認識しました。
実際私がお客様へdbt×Snowflakeアーキテクチャを提案する際、ツールを別で管理するということに対して嫌悪感を示すお客様もいらっしゃいました。まさにペインポイントであった部分をうまく解決してきたなあと思います。

Snowflake上でdbtをネイティブに実行・運用することで得られる2つの主要な価値が強調されています。

✅ 1. システム統合による運用負荷とデバッグコストの削減

“Consolidate systems to reduce administration and improve debugging”
これまでバラバラだったツール群(Airflow、dbt Cloud、外部Git連携など)をSnowflakeのSnowsight UIに統合することで、運用の簡素化とトラブル発生時の対応速度向上が期待できます。ログも一元的に確認可能となり、「どこで失敗したか」を探す工数が減少します。

✅ 2. 新しいチームのパイプライン構築・展開を支援

“Enable new teams to build and deploy pipelines”
ノーコード/ローコードなインターフェースとSnowflakeネイティブな開発環境を用意することで、技術的に高度な知識がなくても、ビジネス部門や非エンジニアが自らパイプラインを設計・運用できるようになります。

直感的で高速、信頼性の高い機能として推されており、Data SuperheroのChris氏も良いフィードバックを送っています。

Snowflake Workspaces

Day2のKeynoteで発表されたSnowflake Workspacesは、Snowsight UI内でSQLやPythonコード、ノートブック、パイプラインプロジェクトなどを一元的に管理・開発できる統合環境です。このWorkspacesでdbtプロジェクトを構成することにより、Git連携やチーム開発も可能になってしまうというメリットだらけの機能です。。!

DBT PROJECTS DEMO

実際にデモも行われました。

デモは動画を撮影していたため細かい内容説明は割愛しますが、デモといえばのTasty Bytesを想定した内容でした。

デモ画面

Snowflake Workspaces上にProfileや実行コマンドを選択できる部分があるのがお分かりになるかと思います。UI上での柔軟な環境毎の実行や実行コマンドの選択が可能になっていました。

以下画像のように、実行したモデルの依存関係もWorkspaces上で可視化可能です。

また、Snowflake上で実行されたdbtモデルの実行状況は、「Query Telemetry」タブを通じて詳細に確認できるようになっています。
以下画像にあるように、各モデル(例:model.tasty_bytes.raw_pos_order_detail)に対して、個別の 実行時間(ms) や トレースID / スパンID が記録されており、Snowflake内部の Telemetryデータ(SNOWFLAKE.TELEMETRY.EVENTS として一元管理されています。Snowflake Trailがここで関係してくるんだなあと👀

おわりに

今回のセッションでは、Snowflake上でdbtをネイティブに実行・運用できる新機能「dbt Projects on Snowflake」について、その構想や機能概要を学ぶことができました。単に新しいツールが追加されたという話ではなく、データパイプラインの設計・運用のあり方そのものが変わる可能性を強く感じさせる内容でした。

特に印象に残ったのは、Snowsight UIでdbtプロジェクトの作成・実行・モニタリングまでを完結できる体験です。開発者がCLIや外部サービスに切り替えることなく、統一されたUIで日常業務を進められるようになる点は、学習コストや運用負荷の軽減という観点でも非常に魅力的です。
また、Workspacesとの連携やGit統合、Telemetryによるジョブ可視化といった機能群は、これまで分断されていたデータ開発のライフサイクルをSnowflake内に統合していく強い意志を感じさせるものでした。これは、社内の技術スタックを一本化したいと考えるチームにとっては非常に大きな恩恵となるはずです。

まだPublic Preview前の段階ではありますが、dbt fusionとの統合もサポート予定など、Snowflakeのプラットフォームの進化において象徴的な一歩だと感じました。dbtを既に利用している方も、これから導入を検討する方も、ぜひこの流れに注目していただきたいと思います。明日がついに最終日となりますが、こうしたセッションから新たな気づきを得られるよう、最後まで情報収集と発信を続けていきたいと思います!

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