Adobe Analyticsの便利な機能のセグメント。便利なのですが仕様を分かっていないと落とし穴にはまることがあります。今回は落とし穴の一例として、「意図しないデータが混ざる」の例を説明します。
レポートスイートが1つだったとして、その中にキャンペーン用に作った特設サイトがあったとします。このような場合、後でキャンペーン特設サイトの成果を見るために、キャンペーン特設サイトに絞ったレポートを出したくなると思います。
この場合、例えばキャンペーンサイトでのみpropに「キャンペーンサイト」と計測させて、セグメントでヒットコンテナで「propがキャンペーンサイトに等しい」を作ればキャンペーンサイトのヒットのみを抽出できます。
(滞在時間が意図しなくなるというのは別の記事で述べているのでご興味があれば御覧ください。)
このセグメントをかけた状態だと、あたかもそのキャンペーンサイトのみのレポートスイートのような感覚で各レポートが出せるようになります。
しかしここで気をつけなければならないのが、eVar変数のように「バーチャルクッキー(有効期間内、値を引き継ぐ)」の計測値です。
例えばトラッキングコードのレポートを出した時に、キャンペーンサイトへリンクを貼っていないパラメータがレポートされたりします。これは何故起きるかというと、ログが以下のように記録されているからです。
※本来のログとは形式が異なります。簡略化しています。
キャンペーンサイトのみのヒットコンテナだと、黄色い網掛けのヒットだけを抽出できます。この場合キャンペーンサイト主体で考えれば、キャンペーンサイトの流入元は「ページC」になり、トラッキングコードは無いことになりますが、実際のログではそうはなりません。
このログでは入口はトップページで、トップページへの流入時にトラッキングコードを持っており、訪問中で引き継いでいます。この事によって、キャンペーンサイトのみで抽出したログにあたかもトラッキングコード「yahoo1」で流入したかのようなレポートが出てしまいます。
回避策としては、流入元・トラッキングコードについては「キャンペーンサイトが入口である」というセグメントを作って、それを適用してレポートを出すことです。
(ちなみに入口ページがキャンペーンサイト、というセグメントだと、今度は入口ページ=キャンペーンサイトが訪問中保持されて、例えば訪問中に1回サイト外に出て、訪問が切れる前に広告を踏んで戻ってきた、といった場合に入口でないトラッキングコードはやはり混ざってしまいます・・・とても面倒・・。但しこれは数が多いものではないので、割りきってしまうのが吉かと考えます。)
セグメントはとても便利な機能で、Adobe Analytics利用者には皆さんに使っていただきたい機能ですが、利用歴が長い人でも良く罠にはまってしまう機能なので、注意深く利用する必要があります。
(2017/04/13編集:不自然な位置での改行と必要のない文言の削除。ご指摘ありがとうございました。)
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