マーケティング

ジャーニーマップをデジタルマーケティングの視点で

顧客体験をより良いものにするために、様々なツールやメソッドがあります。
本日は、その多くあるメソッドの一つであるジャーニーマップをご紹介します。

今回は特に、デジタルマーケティングの分野でジャーニーマップを使うことでのメリットを考えたいと思います。

今回のブログの流れは以下の通りです。

1:ジャーニーマップとは?

2:制作の流れ

3:作ってみると?

4:最後に

1:ジャーニーマップとは?

まずは、ジャーニーマップがどのようなメソッドで、どの様な目的や制作のメリットがあるかをご紹介します。

ジャーニーマップ簡単にご紹介すると、サービスの体験前、中、後で、ユーザーがどのような行動、心情、認知の変化が起きているのかなどを調査し、一つのシートにまとめてマッピングすることを指します。

ジャーニーマップを制作する主な目的とメリットは、以下にまとめましたのでご覧ください。

ジャーニーマップ制作の目的
・顧客体験の整理、発見
・サービスの中のボルトネックの洗い出し
・マーケティングの俯瞰

ジャーニーマップ制作のメリット
・より良い顧客体験の提案
・プロジェクトチームの方向性を整える
・サービス提供における有効的な施策の提案

このことから分かるように、ジャーニーマップの制作は、ユーザー体験の向上だけではなく、プロジェクトチームに対してもいい影響がありそうです。

2:制作の流れ

次にジャーニーマップの制作の流れについてご紹介します。

ジャーニーマップの制作には大きく4つの段階に分けられます。

① ペルソナの設定
   サービスを使っているユーザーを明確にする
② マッピング項目の選定
   ジャーニーマップにマッピングする項目をサービスや制作目的に合わせて選定する
③ ユーザー行動の区分け
   ユーザー行動、心情、ユーザーが使う郷具などが変化するタイミングをもとに区分けする
④ シナリオ作成
   軸に沿ってユーザーの体験内容などを記述する

3:作ってみた

最後に、これまでの内容を踏まえてジャーニーマップの作成をしてみようと思います。今回は、サービスの中で分析ポイントを把握しデータの分析、活用ポイントの整理を目的としてとある旅行サイトを事例として制作しました。

①ペルソナの設定

今回は、分析ポイントを整理したいので、どの様な目的と価値観を持っているペルソナかを考え、ユーザーの名前、年齢、目的、価値観の4つをもとに作成しました。

項目  内容
名前Aさん
年齢29
目的友人との二人旅行、観光
価値観年に2回定期的に行く旅行 観光目的で行先は決まっている。
値段と朝食がホテル選びの基準。

②マッピング項目の選定

今回の目的と照らし合わせて、ユーザーの行動とその行動中に扱うツール(タッチポイント)、そのタッチポイントで分かること、分析のポイント、課題・活用のポイントの4つとしました。

マッピング項目には、ユーザーの心情や体験中のユーザー同士の関わりなどもマッピングする場合がありますが、今回はあくまでも分析ポイントの整理なので除外しました。

③ユーザー行動の区分

ユーザー行動の区分では、ユーザーの行動や使うツールの変化などに合わせて区分します。

今回は、以下の形に区分しました。
情報を知る→興味を持つ→サイト訪問→ホテル検索→比較→プラン選択→予約→旅行体験→サービス評価

④シナリオ作成

以上の項目をもとにシナリオを作成すると以下のようになりました。
尚、赤文字の箇所は、データ分析のツールを表しています。
様々な場面でデーター解析ツールを用いることが出来ることが分かると思います。

ここでは、赤枠部分の比較のフェーズについてご紹介します。

フェーズ行動タッチポイント分析ポイント課題・活用ポイント
比較他のホテルサイトと見比べてみる。複数のホテルから予算とサービスを比較するPC/webサイト
スマホ/アプリ
ホテルを決定した要因分析ホテル選びの決定に至る最終的な決定打になった要素の分析を行う。
Mouseflowで長い間着目していた部分の比較。
Qualtricsでのアンケート。
ジャーニーマップ_比較フェーズの例

旅行サイトを比較する際は、PCを活用して分析対象の自社サイトのみならず、様々なサイトを訪問している可能性があります。そのため、この場面ではホテル選びの決定打となった要因を分析できると考えました。

ホテル選びの決定打となった要因をどのように分析し、活用するのかについては、以下の2つの手段を考えました。

  • mouseflowなどで長時間見ていた箇所を分析することで、比較対象になっていた項目を発見する
  • Qualtricsのようなアンケート機能を用いて予約完了時にホテルを選んだ理由についてアンケートを行う

これで、この2つのツールを用いたときに行う分析内容と目的が明確になったと思います。

さいごに

ジャーニーマップの作成によって、ユーザー行動とタッチポイントの整理ができたことで、取得できる情報を明確にすることが出来ました。そのことが、分析ポイントを明確にし、データ取得の課題とデータの活用方法の提案へ自然な形で繋げられました。
今回は、ジャーニーマップを用いましたが目的に合わせて最適な分析方法をご活用ください。皆様のご参考になりましたら幸いです。

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