Adobe Analytics

はじめてのAdobe Analytics実装

前回までの3回のブログで、イメージリクエストやアクセス情報の取得の原理、クッキーとは、
などという、アクセス情報収集に関する一般的な原理を勉強してきた。
今日からの数回はその知識を踏まえて、実際にAdobe Analyticsの簡単な実装に
チャレンジしていく様子を記載しようと思う。
 
とはいえいきなり実装に入る前に、イメージリクエストがソースコード上で
どのように発生しているのかという点を確認しよう。
 
イメージリクエストを発生させるのはs_code.jsと呼ばれるJavaScriptファイルと、
各ページのhtmlに直接書き込まれている計測タグ(code to paste)である。
 
まずはs_code.jsについて。
これはサイト全体で共通のjsファイルで、各ページのhtmlからscriptタグによって呼び出されることになる。
ここでは一般的な”構成”に関する設定やサイト全体で共通の変数が定義される。
 
そして計測タグでは、s_code.js内で定義された共通変数に加え、
ページ名などの各ページに固有な変数などを定義したのち、
s.t()というs_code.js内で定義されているメソッドを実行して、
Adobeのサーバーにイメージリクエストを送信する、という役割を持つ。
以上がイメージリクエストが送られるまでの大まかな流れだ。
 
ここからはこれらのコードの中身を少し詳しく確認してみよう。
 
s_code.jsは次の4つのセクションからなる
1. configuration variablesを宣言するセクション
2. doPlugins()を設定するセクション
3. Plug-insの定義をコピー&ペーストするセクション
4. s.t()などAdobe Analyticsについてのcoreの設定が記載されたセクション
この中でユーザが実際にコードを書いて設定する必要があるのは、1と2のセクションである。
 
まず1のconfiguration variablesに関するセクションでは、
その名の通り、このタグの”構成”に関する変数が設定されることになる。
例えばs_account。これはどのレポートスイートにデータを送信するかを定義する重要な変数だ。
他にもs.linkInternalFiltersでどのリンクを内部遷移とみなすかなどを定義したり、
s.liinkDownloadFileTypesでどういうファイルのダウンロードを計測するかを定義したりと、
レポートスイート全体の設定がこのセクションに記載されることになる。
 
次の2のdoPlugins()を設定するセクション。ここではs_doPlugins()という関数を定義する。
この関数はイメージリクエストをadobeのサーバーに送信するための関数s.t()の、
内部でコールバック関数として呼び出されるもので、
全ページで共通で取得する変数の定義をここに記載することになる。
 
なぜdoPluginsという名前なのかというと、Plug-insというAdobe側が提供しているコードを使って
変数の値を設定することが多いからだ。「ページのスクロール量」や「前回訪問からの日数」などの
汎用的な数値に関しては、それらを取得するための関数をあらかじめAdobe側が用意してくれており、
ユーザーは使いたい関数のコードをAdobeのサイトからPLUGINS SECTIONにコピー&ペーストするだけで、
その関数が使えるようになる。Plug-insによって自前でJavaScriptの関数を実装する必要がなくなり、
簡単に、バグなく、値を取得することができる、というわけだ。
 
このようにして、s_code.jsを完成させれば、AdobeAnalyticsの実装はあと少しだ。
あとはそれぞれのページのhtmlにs_code.jsを呼び出すscriptタグを埋め込み、
必要に応じてそれぞれのページに固有の変数、イベントなどを定義したのち
s.t()を呼び出せばイメージリクエストが発火することになる。
 
次回は実際にエクスチュアのサイトに埋め込むためのs_code.jsを作成する様子を紹介したい。
 
インターン生
薄井

ピックアップ記事

  1. 最速で理解したい人のためのIT用語集

関連記事

  1. Adobe Analytics

    リファラーとは-Adobe Analyticsの指標説明

    今回はリファラーについて説明したいと思います。リファラーとはユーザ…

  2. Adobe Analytics

    AdobeAnalytics: s.Util.getQueryParam で複数パラメータ同時取得

    こんにちは、エクスチュアの權泳東(権泳東/コン・ヨンドン)です。…

  3. Adobe Analytics

    Adobe Analytics: DWHレポートの日付列をBigQueryのDate型として扱う

    こんにちは、エクスチュアの權泳東(権泳東/コン・ヨンドン)です。…

  4. Adobe Analytics

    DataWarehouseについて

    はじめまして、インターン生の丸山です。Adobe Analytics…

  5. Adobe Analytics

    AdobeAnalytics: Adobe I/OのAPIを使ってSAINT分類データを取得する

    こんにちは、エクスチュアの權泳東(権泳東/コン・ヨンドン)です。…

  6. Adobe Analytics

    Adobe Summit 2020レポート: Advanced Techniques to Get …

    こんにちは、エクスチュアの権泳東(コン・ヨンドン)です。Ado…

最近の記事

  1. 回帰分析はかく語りき Part3 ロジスティック回帰
  2. GCSへのSnowflake Open Catalogによる…
  3. VPC Service Controlsで「NO_MATCH…
  4. モダンデータスタックなワークフローオーケストレーションツール…
  5. Streamlit in Snowflakeによるダッシュボ…
  1. Looker

    Looker: 公開されているLookML Blockをクローンして使う方法
  2. Firebase Analytics

    Firebase AnalyticsのデータをフラットなCSVに変換するETL処…
  3. Adobe Analytics

    Adobe Analytics 3つの主要指標
  4. 未分類

    BigQueryで高額課金が発生しているクエリの呼び出し元を特定する
  5. IT用語集

    プラットフォーム(Platform)って何?
PAGE TOP