こちらの記事はSnowflake Summitで行われたプラットフォームキーノートのAI要約になります。情報収集・振り返りのヘルプになれば幸いです。本記事内容については各自の判断・自己責任にてご利用ください。
1. 目指す世界観
- AI Data Cloud ─ データの生成から活用までを単一基盤で完結させる“容易・接続・信頼(Easy / Connected / Trusted)”がコア価値。
- キーノートは「I want… / You can…」という7つの“願い”を軸に、課題と解決策を提示。
2. コンピュートとコスト
新機能 | 概要 | 期待効果 |
---|---|---|
Adaptive Compute / Adaptive Warehouse | ポリシーだけ指定すればサイズやスケールを自動最適化 | 管理負荷↓・性能↑・コスト効率↑ |
インジェスト新価格(Index Pricing) | 取り込み量ベースの単一課金へ刷新。平均50%のコスト削減 | 価格予測性と導入障壁の改善 |
Gen 2 Warehouses | 新アーキテクチャでクエリ速度をほぼ2倍 | “速さ”を直接体感 |
3. ガバナンス & セキュリティ ― Snowflake Horizon
- 自動タグ・Sensitive Data Insights、データ品質ルールExpectations、AI Model RBACなどを強化。
- Horizon Copilot+外部ソース探索で「Snowflake外データ・BIダッシュボード・ETL系まで一元可視化」。
4. データ統合 & 開発体験
発表 | ポイント |
---|---|
Snowflake Open Flow | フルマネージドEL(T)+ストリーミング。SharePoint→PDFパース等、AI処理付きコネクタを数クリックで作成。 |
Snowflake Streaming (Preview) | 10 GB/s取り込み・5–10秒でクエリ可能。 |
dbt Projects in Snowflake | dbtを“そのまま”実行。WorkspacesでIDE・CI/CD対応。 |
SnowConvert AI + Migration Assistant | AIでDDL/DML変換+検証まで自動化し、移行を短縮。 |
Snowflake Postgres(ホステッド) | OSS PostgresをSnowflakeのセキュリティ境界内で提供(トランザクション用途)。 |
5. AIネイティブ機能 ― Cortexシリーズ
カテゴリ | 新機能 | 内容 |
---|---|---|
AI関数 | Cortex AI Signals | AI_CLASSIFY , AI_TRANSCRIBE 等、SQLだけでマルチモーダル推論。新FILE 型で外部ストアも扱える |
AI集計 | AI_AGGREGATEで巨大テーブルを一括要約 | 3–7倍高速/低コスト分析 |
RAG | Cortex Knowledge Extensions GA — Marketplaceに主要報道社などのベクトルデータを提供 | |
エージェント | Cortex Agents GA & Microsoft Teams連携、外部ツール呼び出しも可能 |
6. “データをAIに渡す”準備機能
- Semantic Views / Semantic SQL ─ ビジネス用語・計算ロジックをビューに埋め込み、SQLとAIの双方で再利用。
- View自体をマーケットプレイス共有し、AIレディなデータ製品を流通可能。
7. エンドユーザ向け体験 ― Snowflake Intelligence
- コード不要のAIデータアシスタント。構文生成・可視化・根拠付き回答をワンストップで提供。
- 組織認証・行レベル権限制御・検証済みクエリバッジで“ChatGPTの幻影”問題を回避。
8. マーケットプレイスとパートナーシップ
- Private Offersで顧客専用の価格・利用条件を設定可能。
- データ/アプリ/エージェント製品まで扱う“総合ストア”へ進化。
9. メッセージの核心
「従来の“データをコピーしてAIに送る”手間とコストを、Snowflake上で直接“AIを呼び出す”形に置き換える。」
キーノートは、データ基盤・AIランタイム・ガバナンス・コラボレーションの4層をシームレスに統合し、
- 将来性あるアーキテクチャ
- 経済性
- ガバナンス
- インテグレーション
- ビジネスインパクト
- 俊敏なインサイト
- AIエージェントによる成長加速
——の7テーマで具体策を提示した。
10. まとめ
Snowflakeは「AI Data Cloud」を旗印に、
- “AIにデータを運ぶ”から“データ側にAIを呼ぶ”へ
- 人・データ・モデルの距離を極小化
- ガバナンスを犠牲にしない俊敏性
を実現する新機能を大規模に投入。
2025年以降、データとAIを一体運用したい企業にとって、Snowflakeは“選択肢の一つ”ではなく**“事実上の前提”**となる可能性を示したキーノートだった。