こんにちは、エクスチュアの権泳東(コン・ヨンドン)です。
長いこと公私ともにLinuxメインで使ってるのですが、この度LPIC-3(レベル3)試験に合格しました。
採用面接に来る方で「LPIC/LinuCレベル1を持ってます」という方がたまにいらっしゃいます。
受験した事がなかったので「どのくらいの難易度なんだろう?」というのを知りたくて受験したところ、レベル1が簡単すぎてもの足りなかったため結局全レベル制覇しました。
せっかく合格したので私の勉強方法など紹介致します。
LPICとは?
Linux Professional Instituteという団体によって運営されている世界最大のLinux技術者認定資格でして、レベル1からレベル3まで存在します。
LPIC-1(レベル1)は一般的なLinux操作方法とシステム管理についての知識が問われます。
101試験/102試験の両方に合格するとレベル1に認定されます。
LPIC-2(レベル2)ではさらに応用的な操作方法とサーバー構築についての知識が必要です。
201試験/202試験の両方に合格するとレベル2に認定されます。
LPIC-3(レベル3)は専門分野に分かれてます。
マーテックエンジニア・データエンジニアなら「304 仮想化&高可用性(負荷分散)」試験が良いでしょう。私は304を選択しました。
弊社ではよくAdobeAnalytics/GoogleAnalyticsのデータをGoogleBigQueryやその他のクラウドDWHに格納して分析基盤を作るのですが、細かい処理などでしょっちゅうLinux仮想マシン上で作業を行う事があります。
特に、AdobeAnalyticsからGoogle BigQueryにDatafeedを配信しようとすると、SFTPサーバー構築からETLまでの中でどこかに必ずLinux上の作業が発生します。
つまりマーテックエンジニア・データエンジニアにとって、Linuxの知識はとても強い武器になります。
そしてLPICの勉強をする事で、Linuxの操作方法を身につける事が出来ます。
ぜひ皆さんもLinuxを勉強しましょう。
LPIC-1 レベル1の勉強方法
まずは翔泳社の「Linux教科書 LPICレベル1」 (通称:あずき本)を読みましょう。
あずき色の表紙が目印です。
教科書を読みながら、本に載ってるコマンドを実際にLinux上で実行すると覚えやすいです。
そのためには自由に使えるLinux環境が必要です。
LinuxがインストールされたPCがあれば良いのですが、ない場合はVirtualBox+CentOSを使ってLinux仮想環境をPC上に構築しましょう。
また、GCPなら無料でf1-microタイプの仮想マシンが使えるので、それを使っても良いです。
ただ、デスクトップ/GUIの操作も試験範囲のため、↓の記事を参考にしてGNOMEとVNCでデスクトップを使えるようにしましょう。
Google Compute Engine のLinuxVMにVNC接続する
本を読破したら問題集を解いて準備します。
ここでオススメはWeb問題集のPing-tです。
Ping-tの101試験問題はなんと無料で利用可能です。
101の問題集は全部で720問ありますが、これを全て「金」になるまで解きます。
・2回連続正解で「金」
・1回正解で「銀」
・外れたら「銅」
という仕組みです。
すべての問題が「金」になったら次は模擬試験です。
模擬試験で「90点以上を連続で10回」取れるようになるまでやれば良いでしょう。
また、翔泳社の教科書に載ってる模擬試験もやりましょう。
私の経験ではPing-tと教科書の模擬試験両方を掛け合わせたような問題が出題されました。
コマ問という自由入力の暗記問題もあるのですが、これは暇があれば各セクションごとに10問ずつやる程度でOKです。
→ 最後まで解かないと答えが見れないので、10問ずつ確認しながらやらないとシンドイ。
そして101試験/102試験の両方共合格するとレベル1です。
LPIC-2 レベル2の勉強方法
レベル2は201試験と202試験の2つです。
レベル1の時と同じく、まずは翔泳社のあずき本こと「Linux教科書 LPICレベル2」を読みましょう。
それからPing-tの問題集をやり込みます。
201試験はレベル1と全く同じ方法で合格出来ました。
しかし202試験が難関です。
出題範囲が各Webサーバー/メールサーバー/Samba/OpenLDAPなどの設定に関するもので、実際に環境を構築しないと覚え切れません。
これは仮想環境または実機でぜひ動かして体で覚えましょう。
そして201試験/202試験の両方共合格するとレベル2です。
LPIC-3 レベル3 (304: 仮想化&高可用性) の勉強方法
最後のレベル3は、300試験(混在環境)・303試験(セキュリティ)・304試験(仮想化&高可用性)のいずれかに合格すればOKです。
私は304試験を受験しました。
304試験に対応した書籍は、インプレスの「徹底攻略 LPIC Level3 304 教科書+問題集」(通称:黒本)がおすすめです。
読みながら実際に環境構築をするのですが、仮想化のXen/KVMはVirtualBox上のCentOSで構築しました。
VirtualBoxそのものが出題範囲ではあるんですが、私のUbuntuPCではXenがうまく動かなかったのでVirtualBoxの仮想マシンの中でさらにXen/KVMを試すという事になりましたw
そして厄介な「高可用性」のセクション。
これはGCP上でkeepalived/HAProxy/Pacemaker/Corosync/DRBDなどを複数VMで動かして覚えました。
これらのソリューションをGCP上で動かすためのチュートリアルがGCPのドキュメントに存在してます。
Google Cloud Platform | ドキュメント
そしてPing-tでオール金+模擬試験を10回連続90点以上を取って仕上げます。
なお、黒本の巻末に模擬試験が載ってますが、これも90点以上取れるようにしましょう。
そして304試験に合格すればレベル3です!
筆者は何点とれたのか?
私の結果はこのとおりでした。
202試験が一番難しくて640点。
そして304試験は外出自粛中に2ヶ月しっかり勉強したので750点。
それでも全部一発で合格です。
まとめ
レベルによって難易度の差はありますが、いずれも下記の方法で合格出来ました。
- あずき本・黒本を読破する
- 実際にLinuxで環境を構築する
- Ping-tで全問「金」を取る
- Ping-tの模擬試験で「90点以上を10回連続」で取る
皆さんもレベル3目指して頑張りましょう。
弊社ではマーケティングテクノロジーからデータエンジニアリングまで幅広い知識を持ったエンジニアが複数在籍しております。
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