こんにちは!インターン生の山本です。
前回はダッシュボードの定義を振り返りましたが、
今回はStephen Few氏の著書にある、
「ダッシュボードデザインに共通する13の間違い」を紹介します。
13の間違いとは…
1.スクリーンの枠内を越えた量を表示している
① データが別のスクリーンにまで分散している
”データが別のスクリーンに分散”といっても、さらに詳細な情報を知るために別スクリーンに遷移、
もしくは一連の必要な情報元に遷移することを言っているのではありません。
ここでは、一緒にみるべき情報が別々のスクリーンに表示されていることを指摘しています。
なぜなら、一緒に見たい情報がばらばらだと、どう関係し、影響し合っているのか比較できないからです。
②ダッシュボード全体を見るには、スクロールしなければならない
なぜスクロールするのがダメかというと…
人は、スクロールしないと全体を一目で把握できないものより、
一目で視界に入ってくるものの方を重要とみなす傾向にあるからです。
また、人はワーキングメモリの中で、一度に限られた情報量しか保持できないので、
例えばスクロールして見えなくなった情報などは正確に思い起こすことが出来ないのです。
2.データの内容が不十分である
これは、例えば「四半期の売上高の結果のみを表示しているダッシュボード」
などはイメージがつかみやすいかと思います。
売上高の結果だけを表示していても、
それがいい結果なのか?悪い結果なのか?どの位良いのか、悪いのか?
全く分からないです。
組織内の現在の状況を把握するときに、一つの尺度のみでは決して理解できません。
ただし、内容量はダッシュボードの目的や使用者のニーズに依存するので、
多ければ良い、と言っている訳ではないことに注意が必要です。
3.不必要なくらい細かく、綿密に表示させている
例えば、「数字の小数点4位までを表示させている」ものなどがわかりやすい例です。
これは他では必要な情報かもしれないが、「概要」を示すダッシュボードにおいては細かすぎて、
使用者がそこから重要なデータを抜き取るのに手間がかかってしまいます。
4.尺度を間接的に示している
これは、実際に正確なデータを表示しているのですが、
必要とする尺度を用いていないことを指しています。
例えば、ダッシュボードの使用者は実際収益と収益予算がどの程度違っていたのか知りたいと仮定します。
そのとき、ダッシュボードには、「実際」と「予算」の間に何%差があるのか見れれば目的は達成されます。
ここで間接的に示すとは、
%ではなく、実際の収益と収益予算のそれぞれの額を表示していること、などを指します。
これでは、データはありますが、使用者は差を知るために計算しなければなりません。
5.不適当な表示メディアを選択している
これは、一つ例を示すとすると、
定量データをパイチャートで表示していることが挙げられます。
パイチャートは実際の数字の割合を、図として正確に反映することができないので、
ダッシュボードにパイチャートは不向きであるといえます。
ただし、全体の中の内訳を示したいときなどは使用してもいいでしょう。
6.無意味なくらい種類が豊富である
これは私も以前のダッシュボード作成の際にやってしまったことなのですが、
1つのダッシュボードに同じグラフをいくつも使うと単一で面白くないと考え、
異なったグラフを使って見栄えを重視させようとすることを指しています。
これはダッシュボードの定義に反することになります。
ダッシュボードは、使用者の目的に適ったグラフを選択することが最重要です。
異なるグラフが使われ、見た目がオシャレに見えても、使用者が理解できなければ意味がありません。
また、適当なグラフが選択されているのであれば、
一貫して表示されている方が解釈がしやすく、時間と労力の削減にも繋がるので、
一貫性をもたせるためにも異なったグラフをたくさん用いるのは良策とは言えません。
今回は13の間違いのうち、6つご紹介させていただきました。
次の記事では、残りの7つについてご説明しようと思います。