Adobe Analytics

Adobe Analytics 原理①

近年、Web解析の必要性が広く認知されるようになり
多くのWebサイトが解析ツールをサイトに導入するようになった。
Web解析ツールで主流なのが、Googleが提供しているGoogle Analyticsと
Adobeが提供しているAdobe Analyticsだ。
Adobe Analyticsは有料だが、Google Analyticsとは異なり分析やデータ量に制限がなく
より詳細にWebサイトを分析することが可能な非常に強力なツールであり
エクスチュアでは主にAdobe Analyticsを使った解析サービスが主流である。
 
さて、Adobe Analyticsはどのような原理でデータを収集しているのだろうか。
 
まずは我々がブラウザ(インターネットエクスプローラー、Google Chromeなど)を使って
Webサイトを見る際、背後でどのようなことが行われているのかを簡単に確認しておこう。
 
ブラウザは、まず、URLで指定されたページの情報が保存されているサーバーから
GETリクエストによりそのページのhtmlファイルを取得する。
このhtmlファイルこそががwebページの実体であるわけだが、htmlファイルそのものはただの文字列だ。
ブラウザはhtmlファイルを順に読み解きながら、文字サイズを調整したり
必要な画像などを適宜取得して(これもGET リクエスト)、我々に表示する画面を構成していくことになる。
 
これを踏まえてAdobe Analyticsの原理に迫ろう。
 
Adobe Analyticsの実体はhtml上に埋め込まれた、”s_code.js”というJavaScriptファイルである。
ブラウザがhtmlファイルを順に読み込んでいき
スクリプトタグによってhtml上に埋め込まれたs_code.jsファイルにたどり着くと
そこに書かれたJavaScriptのコードが実行される。そのコード内で定義されているs.t()という関数により
ブラウザはAdobeのデータ収集用サーバーへ向けてGETリクエストを送ることとなるのだが
その際のURLにからくりがあり、URL上に文字列として
どのようなページを見たのか、直前にどのようなページを見ていたのか、などといった情報が記載されている。
Adobeのデータ収集用サーバーは送られてきたURLを解析し、データを記録する、というわけだ。
 
なお、このGETリクエストによってAdobeのサーバーは2*2ピクセルの透明なgifファイルを送ってくる。
Adobeのサーバーに情報を送ることを、イメージリクエスト、と呼ぶことがあるのはこのためだ。
 
さて、百聞は一見にしかず。
実際にどの部分がAdobeのデータ収集用サーバーへのGETリクエストなのかを
Google ChromeのDeveloper Tools(WindowsならF12で起動する)で確認してみよう。
 
エクスチュアのサイトにアクセスした場合、どれがイメージリクエストにあたるのだろうか。
Developer ToolsのNetworkの欄を見れば、
ブラウザがどのようなGETリクエストを送って画面を構成したのかが確認できる。
その中に特に長いURLがあるのに気づくだろうか。
 
blog1_1
 
計1180文字にも及ぶこのURLこそがAdobeのサーバーにブラウザが送ったGETリクエストの宛先なのである。
URLを見ると、?の後ろにたくさんの文字列が並んでいることが分かる。?以降の文字列をURLパラメータと言い
これをURLの末尾につけることでサーバーに情報を送ることができる、という仕組みだ。
&マークに区切られて、たくさんのパラメタがサーバーに送られていることが確認できるだろう。
Developer Toolsを使えばそれらのパラメタをパースされた状態で確認できる。
 
blog1_4
 
そしてこのGETリクエストの結果が次。
2*2ピクセルの透明なgifファイルが取得されたことが分かる。
blog1_2
 
最後にGETリクエストの送信先のIPアドレスが本当にAdobeのものか調査してみよう。
blog1_3
Lehi, Utah,United States.
アメリカのAdobeのサーバーに正しく送られているようだ。
 
インターン生 薄井

ピックアップ記事

  1. 最速で理解したい人のためのIT用語集

関連記事

  1. Adobe Analytics

    Adobe Analytics: DatafeedのログからフォールアウトレポートをBigQuery…

    こんにちは、エクスチュアの權泳東(権泳東/コン・ヨンドン)です。…

  2. Adobe Analytics

    Adobe Summit 2020レポート: Implementation Tips for Ado…

    こんにちは、エクスチュアの権泳東(コン・ヨンドン)です。Twitt…

  3. Adobe Analytics

    GTMのdataLayerをAdobeAnalyticsの「s」オブジェクトにコピーする

    こんにちは、エクスチュアの權泳東(コン・ヨンドン)です。Ado…

  4. Adobe Analytics

    AA + GA : SafariのITP2.1に備えてphpでクッキーを永続化する

    こんにちは、エクスチュアの權泳東(権泳東/コン・ヨンドン)です。…

  5. Adobe Analytics

    Adobe Analytics 指標について

    今日はAdobe Analyticsで使われている指標について説明した…

  6. Adobe Analytics

    Adobe Analyticsと「どこどこJP」のAPIを連携する

    こんにちは、エクスチュアの權泳東(権泳東/コン・ヨンドン)です。…

最近の記事

  1. LangChainのソースコードから実装を見てみる(Chat…
  2. Tableau×Teams連携
  3. AIを使ったマーケティングゲームを作ってみた
  4. Snowflakeや最新データ基盤が広義のマーケティングにも…
  5. 回帰分析はかく語りき Part3 ロジスティック回帰
  1. IT用語集

    オプティマイズ(Optimize)って何?
  2. KARTE

    KARTE Blocks データプランナーの強い味方!!
  3. Adobe Analytics

    検索エンジン-有料とは-Adobe Analyticsの指標説明
  4. データサイエンス

    IQをキッカケに理解する統計学の基礎
  5. Spread Sheets / GAS / GDS

    GDS(グーグルデータスタジオ)で「年ごと/月ごと/週ごと」の集計をする
PAGE TOP