今さら聞けないAI用語20選 ― ビジネスパーソンのための基礎知識
AI(人工知能)に関するニュースを目にしない日はありません。しかし「機械学習」「LLM」「ハルシネーション」といった専門用語が会議や資料で飛び交うと、正直ついていけない……と感じたことはないでしょうか。
この記事では、ビジネスパーソンが最低限押さえておきたいAI用語を20個厳選し、それぞれをひと言でわかりやすく解説します。各用語にはより詳しい個別記事へのリンクも用意していますので、気になった用語から深掘りしてみてください。
基本のキ ― まずはここから
1. AI(人工知能)
人間の知的な活動――学習、判断、予測、言語理解など――をコンピュータで再現しようとする技術の総称です。最近では「生成AI」の登場により、文章作成や画像生成といったクリエイティブな領域にまで活用が広がっています。
2. 機械学習(Machine Learning)
AIを実現するための代表的な手法のひとつです。大量のデータからパターンやルールをコンピュータが自動的に学び取る仕組みを指します。「AIが賢くなる方法」と考えるとわかりやすいでしょう。
3. ディープラーニング(深層学習)
機械学習の中でも、人間の脳の仕組みを模した「ニューラルネットワーク」を何層にも重ねた手法です。画像認識や音声認識など、従来の技術では難しかった複雑な処理を飛躍的に向上させました。近年のAIブームの火付け役となった技術です。
4. ニューラルネットワーク
人間の脳の神経回路を模倣した数学的なモデルです。入力されたデータを複数の「層」で処理し、最終的な出力(判断や予測)を返します。ディープラーニングの土台となる考え方です。
5. モデル
AIの文脈では、データから学習した結果として出来上がる「判断の仕組み」を指します。たとえば「スパムメールを判別するモデル」「売上を予測するモデル」のように使います。料理にたとえるなら、データが食材で、モデルが完成した料理のレシピにあたります。
学習のしくみ ― AIはどうやって賢くなるのか
6. 教師あり学習
「これが正解」という答え(ラベル)付きのデータを使ってAIに学習させる方法です。たとえば、大量のメール本文と「スパムかどうか」のラベルをセットで学習させることで、新しいメールを自動判別できるようになります。
7. 教師なし学習
正解ラベルを与えずに、データの中に隠れたパターンやグループをAI自身に見つけさせる方法です。顧客の購買データからセグメント(グループ)を自動発見する場合などに使われます。
8. 強化学習
「試行錯誤」で学ぶ方法です。AIが行動を起こし、その結果に対して「報酬」や「ペナルティ」を返すことで、より良い行動を学ばせます。囲碁AIやロボットの制御、最近ではChatGPTの回答品質の向上にも使われています。
9. 学習データ(訓練データ)
AIモデルを学習させるために使うデータのことです。「AIの教科書」のようなもので、学習データの質と量がAIの性能を大きく左右します。「ゴミを入れればゴミが出る(Garbage In, Garbage Out)」という格言は、この重要性を端的に表しています。
10. パラメータ
AIモデルの内部で調整される数値のことです。学習を通じてこの数値が最適化されることで、モデルの精度が上がります。最近の大規模言語モデルは数千億〜数兆のパラメータを持ち、パラメータ数は「モデルの規模」を示す指標としても使われます。
生成AI・LLMの世界
11. 大規模言語モデル(LLM)
Large Language Modelの略。膨大なテキストデータを学習し、人間のように自然な文章を理解・生成できるAIモデルです。ChatGPTやClaude、Geminiなどのサービスの中核技術であり、現在のAIブームの主役です。
12. 生成AI(Generative AI)
テキスト、画像、音声、動画などの新しいコンテンツを「生成」できるAIの総称です。LLMは生成AIの一種ですが、生成AIには画像を生成するモデル(Stable Diffusionなど)や音声を生成するモデルも含まれます。
13. プロンプト
生成AIに対する「指示文」や「入力文」のことです。同じAIでも、プロンプトの書き方次第で回答の質が大きく変わります。効果的なプロンプトを設計する技術は「プロンプトエンジニアリング」と呼ばれ、ビジネスでもスキルとして注目されています。
14. トークン
LLMがテキストを処理する際の最小単位です。英語では1単語がおよそ1トークン、日本語では1文字が1〜3トークン程度になります。APIの料金はトークン数に基づいて課金されるため、コスト管理の観点でも重要な概念です。
15. ハルシネーション(幻覚)
AIがもっともらしいが事実とは異なる情報を生成してしまう現象です。LLMは「次に来る確率の高い言葉」を予測して文章を作るため、事実確認をせずに使うと誤った情報を広めてしまうリスクがあります。AI活用において最も注意すべきポイントのひとつです。
AIを使う・動かす
16. 推論(Inference)
学習済みのAIモデルを使って、新しいデータに対する予測や判断を行うことです。「学習」がAIの勉強フェーズだとすれば、「推論」は本番で成果を出すフェーズにあたります。
17. API(Application Programming Interface)
ソフトウェア同士をつなぐ「窓口」のようなものです。AI文脈では、OpenAIやAnthropicが提供するAPIを通じて、自社のシステムやアプリケーションにAIの機能を組み込むことができます。プログラミングの知識が必要ですが、自社サービスへのAI搭載を実現する鍵となる技術です。
18. 自然言語処理(NLP)
Natural Language Processingの略。人間が日常的に使う言葉(自然言語)をコンピュータに理解・処理させる技術分野です。機械翻訳、文章要約、感情分析、チャットボットなど幅広い応用があり、LLMの登場で飛躍的に進化しました。
19. チャットボット
テキストや音声で人間と対話するプログラムのことです。従来は決められたシナリオに沿って応答するものが主流でしたが、LLMの登場により、柔軟で自然な会話が可能なチャットボットが急速に普及しています。カスタマーサポートや社内ヘルプデスクなどでの導入が進んでいます。
20. PoC(Proof of Concept)
「概念実証」と訳されます。AI導入を本格的に進める前に、小規模なテストで「そもそもこのアイデアは実現可能か?効果があるか?」を検証するステップです。AI導入プロジェクトでは、まずPoCから始めるのが一般的です。
まとめ
以上、ビジネスパーソンが押さえておきたいAI用語20選をご紹介しました。すべてを一度に覚える必要はありません。会議や資料で出てきたときに「あ、あの用語だ」と思い出せるだけで、議論についていきやすくなるはずです。
エクスチュアでは、AI活用・データ基盤構築・マーケティングテクノロジー導入を一気通貫で支援しています。「AIを導入したいが、何から始めればいいかわからない」「社内のデータ活用を進めたい」といったお悩みがございましたら、お気軽にご相談ください。
次回は各用語の詳細記事をお送りすることと「AI導入の会議で恥をかかないための用語ガイド」と題して、より実務寄りの用語を解説します。お楽しみに!
このシリーズの記事
- 第1回:今さら聞けないAI用語20選(この記事)
- 第2回:AI導入の会議で恥をかかないための用語ガイド(近日公開)
- 第3回:AI用語を”ビジネス翻訳” ― 技術用語を経営の言葉に置き換える辞典(近日公開)
- 第4回:2026年に知っておくべきAIキーワード15選(近日公開)
