みなさんこんにちは。エクスチュアの大吉です。
Tableauなどのダッシュボード検証の際、みなさんはどのように検証していますか。
ダッシュボード上での検証はフィルターや更新日時をチェックシートを用いて確認し、DWHでの検証はJOINの結合句やレコード数を確認していると思います。
特にダッシュボードの検証は古の目視確認が今でも主として行われていると思います。
それ、めんどうではありませんか?
ボタン1つで検証できたら最高じゃないですか?
叶えられます。
ということで、本記事ではTableauの検証を自動で行うWiiisdomというツールの導入方法を紹介しようと思います。
最後まで御覧いただけますと幸いです。
それではいきましょう。ファイヤー!!!
Wiiisdomとは
Wiiisdom(旧名:Wiiisdom Ops)は、Tableau や Power BI などのBIツール向けの「テスト自動化・ガバナンス強化」ツールです。特に、Tableau環境の本番運用における検証・品質管理・監査を支援するために活用されます。

Wiiisdomでできること
① ダッシュボードの自動テスト
・スクリーンショット比較でビジュアル差分を検出
・データの数値比較で、検証環境と本番環境の数値差異を自動検出
・フィルターやパラメータの動作確認も自動でテスト可能
② メタデータ監査(ガバナンス強化)
・使用されているデータソース、計算フィールド、抽出、ユーザーアクセスを自動抽出
・未使用ワークブックの洗い出しによる運用最適化
③ ワークブック間の差分比較
・計算式や接続先の違いを自動的にハイライトし、差異を可視化
④ 影響分析・変更履歴の管理
・データソース変更がどのダッシュボードに影響するかを即時確認
・本番環境の変更に伴う「影響範囲の見える化」が可能
Wiiisodmのユースケース
活用シーン | 活用例 |
---|---|
本番移行前のチェック | ダッシュボードの見た目と数値の整合性を自動比較 |
バージョンアップ時の動作確認 | Tableau Serverアップデート後の動作チェック |
ダッシュボード棚卸し | 不要ワークブックの特定と削除提案 |
社内ガバナンス強化 | アクセス状況や使用中のデータソースを可視化・監査 |
Wiiisdomを導入するメリット
✔ 手動チェックの作業工数を削減
✔テスト自動化によりヒューマンエラーを防止
✔ 移行・変更時のリスクを可視化
✔ガバナンス強化により運用負荷を軽減
✔Tableau(データ)資産の健全性・再利用性が向上
Wiiisdomとはどんなツールかご理解できたと思います。
次の章から実際の導入方法をご紹介していきます。
Wiiisdomセットアップ
Wiiisdomのダウンロード
以下リンクからご自身の環境に合ったものをダウンロードしてください。


ライセンスの埋め込み
まずはテストを行うためにCreate a new projectから新しいプロジェクトを作成します。

プロジェクト作成後、右上の設定(歯車マーク)からLicenseを開きライセンスキーを埋め込みます。

実行環境の設定
今回はTableau Cloudでの検証を想定し、Tableau Cloudにおける設定方法についてご紹介します。
右上のContext variables のAdd New Contextから実行環境を作成します。

作成すると以下のような画面に遷移します。

各項目の入力内容は以下となります。
Tableau Connection
Tableau URL : Wiiisdomで使用するTableau Cloudの接続先URL
Tableau version : ご利用しているTableau Cloudのバージョン
User : Tableau Cloudにログインするユーザー名(メールアドレス形式)
Site : Tableau Cloudのサイト名
例) https://10ay.online.tableau.com/#/site/test/homeのtestがサイト名
Personal Access Token
まず、Tableau CloudでPersonal Access Tokenを作成してください。
作成後Wiiisdomに作成したトークンの名前とシークレットキーを入力します。
Name : トークン名
Secret : シークレットキー

Authentication Method
Authentication Methodでは2つの認証方法を設定できます。
・Connected App
・Password
私のお勧めはConnected Appです。
Connected Appは、より安全で制御可能な認証方法であり、管理者がアクセス範囲を設定できるのが特長です。セキュリティ・管理性の両面で優れており、Tableauも公式に使用を推奨しています。
今回はConnected Appを用いた認証を採用します。
Connection App
Client ID 、Secret ID、Secret valueはTableau Cloudの管理者がConnected App作成時に取得しています。サイト管理者に確認して入力してください。
検証の実行
設定を終えたので、実際にダッシュボードの検証をしてみましょう。
Wiiisdomでは様々な検証が可能ですが、今回はダッシュボード同士を比較するCross Environment Testingをやってみます。
アプリ左側のTests +を開きます。
Cross Environment Testingを選択し、Test Nameを入力します。
Add TasksもCross Environment Testを選択します。


検証ダッシュボード&検証項目の選定
Task PropertiesのSourceとTargetの各項目を埋めていきます。
Source
Task Name : 検証名を入力
Source Context : 上記で設定したTableau CloudのContextを選択
Source Tableau Viz URL : 検証対象のダッシュボードを選択


Target
Source Context : 上記で設定したTableau CloudのContextを選択
Source Tableau Viz URL : 検証対象のダッシュボードを選択


これで検証までの準備は整いました。
Run Testを実行して、検証結果を確認してみてください!
終わりに
いかがだったでしょうか?
Wiiisdomは、ただ便利なだけでなく、検証や運用管理の負担を本質的に減らしてくれるとても頼もしいツールです。
私自身も、大規模なクラウド基盤移行プロジェクトで活用し、検証時間を大幅に短縮できたことで、その効果を実感しました。
今後も、Wiiisdomの各種テストの特徴や、実際に使用した際の体験談を記事としてご紹介していく予定です。もし目に留まりましたら、ご一読いただけますと幸いです。
また、こちらの記事にもWiiisdomを用いたダッシュボードの比較検証方法を紹介しています。併せてご覧ください。
検証の効率化やガバナンス強化を課題に感じている方は、ぜひWiiisdomの導入を検討してみてください。
Wiiisdomに関するご質問・導入相談は、エクスチュアまでお気軽にお問い合わせください。